文系数学 過去問

数学インプレッション 東洋大(2015-2月8日)特別編

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こんにちは、ナンバー・ゼロです。

いよいよ受験本番の2月ですね。
ここのところ毎週末雪が降って、受験生の皆さんは大変気がかりなんじゃないかなと思います。
私としても、週末を狙い撃ちしてくる雪は嫌がらせとしか思えず、心もどんよりしてしまいました。
2月こそは天気の良い日が続いてくれればと願っております。

火曜日は『数学インプレッション』。今回は、東洋大学2月8日入試(2015年度)です。
今回は入試直前期ですので、前後半まとめてお送りします。
受験生にとっては今までの人生で一番濃度の高い時期になるはずで、その時期にのんびりとはしていられないのです。
気合を入れていきましょう。

1.受験概要

受験方式…一般入試
受験科目…学部学科により異なる
配点…学部学科により異なる

東洋大学は各学部各学科それぞれで複数回の入試を行います。
入試科目が異なったり、配点が異なったりと違いは様々で、ここで書き切ることは困難です。
詳細は大学のウェブサイトをご覧になりご確認ください。

最大公約数的なことにはなりますが、もし経済的に許されるのであれば、科目や配点をずらして複数出願しておくと良いでしょう。
一つの科目でうまくいかないことがあっても、別形式では合格ラインに乗るということはよくあります。
安心感にもつながりますから、過去問をこなした後で検討すべきです。

もう一つトピックとしては、東洋大学はSGU(スーパーグローバル大学)のグローバル型に選出されております。
その名のごとく国際化を進める大学として認定されたわけですが、日東駒専とよばれるグループの中では唯一です。
※グローバル型として選出された関東の私大は、上智・ICU・明治・立教・法政・創価・芝浦工です。
2017年度からは国際学部・国際観光学部などが設置される予定で、今後注目の大学になっていきそうです。

2.大問外観

<全体像>
大問数…4
試験時間…60分

一問あたり15分で、ごく標準的な時間設定です。
ノルマを70%と設定するならば、比較的ゆとりを感じることの出来るくらいだと思います。
これは難度の話にもなってしまうのですが、センターより明らかに易しいレベルですので、計算のスピードが点数を左右するはずです。
要は、ひらめきや特殊な解法を必要とする問題は出ないということで、計算スピードや精度が並以下だと少々つらい試験になるということです。

<第1問>
単元…小問集合
形式…マーク式
小問数…5
目標到達度…余裕の完答

難しい問題は何一つありませんので、当然完答を目指しましょう。
(2)の複素数の計算は少々面倒なものですが、分母が与えられているので計算ミスは避けられるでしょう。
急いで解いてミスをしては意味がありませんが、できれば第1問は5~7分程度で抜けたいです。

<第2問>
単元…二次関数
形式…マーク式
小問数…3
目標到達度…(1)と(2)は最低限

場合分けの問題ではあるのですが、可能性のある値を片っ端から放り込んでいく豪快な問題です。
aとbの取りうる値に十分注意しながら計算をしていけばよいのですが、これが非常に面倒です。
最大値・最小値であるわけですから、それを取りうるのは定義域の両端と頂点の3つですね。
このことを理解できていれば後は計算して出てきた値を評価していくだけですので、さほど難しくはありません。

(1)はとても簡単ですが、(3)はなかなか計算が終わらずに辛いところです。
合格ラインと考えれば、(2)まで抑えられれば不足はないのかなと考えますので、あまりのめり込まないことです。
この先の問題のほうが解きやすい、ということもあるわけなので、それであればそちらで点を取りに行きましょう。

<第3問>
単元…微分・積分
形式…マーク式
小問数…3
目標到達度…最低限(1)はおさえる

放物線と面積の問題です。
方針自体はすぐに立つと思いますし、簡単に解けそうに感じられるはずです。
(1)は非常に易しく、判別式ですぐに答えが出ます。
(2)もそのままいけそうな気はしますが、これがくせ者です。
この問題は6分の1公式を使えないと解ききれないでしょう、それを思いつくのは最低条件です。
ただ、それをクリアしたとしてもなかなかいやらしい計算ですので、安定した計算力が必要になります。
(3)は、(2)を解くことができた人へのボーナスです。非常に易しい。

この問題は(1)しか解けなかった人と完答した人に二分されるのかなと感じます。
仮にここが(1)で止まってしまっても、第2問で得点できていればイーブンでしょう。
言い換えれば、第2問と第3問で小問2つしか取れていない場合、かなりのビハインドを背負ってしまうことになります。
どちらも時間を投入すれば解ける問題ですから、試験中に正しい判断を出来るかどうかが分かれ道です。

<第4問>
単元…平面図形・三角比
形式…マーク式
小問数…3
目標到達度…完答

みなさん苦手とする平面図形の問題です。
がしかし、これはそれほど難しくありません。忘れがちな相似の関係を見出だせればササッと片付けられます。
中学数学で学習したことを使わずに、わざわざ難しい方法で解いてしまうことのないように注意してください。

(1)ですが、これは三平方の定理ですね。
POの長さが分かってしまえば、後はcos∠BOQ=OQ/POなわけですから、簡単に答えが出ます。
次の(2)は、三角形POQと三角形PQRが相似の関係になってますので、相似比の式を立てて瞬殺です。
最後の(3)は外接円の半径、すなわちRですから、正弦定理を使うと気がつけないといけません。
ただ、正弦定理を使う前に、余弦定理でBQの長さを求める必要があるので、計算量はそれなりです。

全体としてみると、解きやすい問題と(計算量が多めで)解きにくい問題に二分できると感じます。
戦略としては、解きやすい問題(おそらく小問集合)と各大問の(1)を高速で抑えつつ、計算量の多い問題の中から解きやすいものを見つけて処理していく、というのがベターでしょう。
肝心なことは、深追いし過ぎないことです。ハマったと感じたら、他の問題に手を付けたほうがよいかもしれません。
ブロックを積むがごとく、点数を積んでいくイメージで取り組んでください。

本日は以上です。
受験生のみなさんの健闘を祈ります。

-文系数学, 過去問

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