どうにか毎週やり繰りできている、テキスト紹介コーナー。前回に続き「英語長文シリーズ」を取り上げます。
ということで、今回のテキストは、学研の「関正生の英語長文POLARIS2 応用レベル」です。
このテキストは、2016年8月に、先日紹介した「関正生の英語長文POLARIS1 標準レベル」と同時に発売されています。
私も「標準レベル」と同時に購入したのですが、タイトルの「応用レベル」だけ見るとシリーズでは一番上のレベルかと思いきや、「発展レベル」が一番上のレベルとなり、3段階の構成となっています。
ご購入はこちらからどうぞ→関正生の英語長文POLARIS2 応用レベル
1.特徴
「標準レベル」の紹介と重複する内容になりますが、長文の総語数でレベルを設定していない点が一番大きな特徴です。総語数800語から1000語を超える本格的な長文、総語数400語から500語程度の比較的短めの長文と、多様な長さの長文に取り組むことができます。
「応用レベル」のおそらくメインターゲットであろうGMARCH受験生にとって、GMARCHの中での併願を考える場合、例えば青山学院大学のように記述式の設問が比較的多く出題されるところ、むしろ立教大学のように客観式の設問が大部分を占めるところ、といった具合に、色々なタイプの設問に触れておくという観点からも、しっかり取り組んでおきたいテキストです。
2.長所
長文のテーマが「標準レベル」「応用レベル」「発展レベル」に共通しており、同じテーマの難度の異なる問題に取り組むことができます。
さらに、「標準レベル」のところでも触れたとおり、現代社会の最新のテーマかつ最新の入試問題から、まさに『今後も出そうなジャンル』をセレクトしているため、まだ背景知識がない場合でも、実際に入試に臨む前に予備知識をつけておくこともできます。
『語句』と『構文解析』に関しても「標準レベル」と同じく、一人でも取り組めるようになっています。
3.使用上の注意点
長文の「応用レベル」の対象とするレベルは『GMARCH・東京理科大・関関同立・地方国公立大学』とされており、英文法の「応用レベル」と同じように見えます。
しかし、よく見てみると長文の「標準レベル」に『※センターレベルから、それより少し上のレベル』と注意書きがあり、さらに文法の「応用レベル」に『センター試験完成』とあったのに対し、長文の「応用レベル」にはセンター試験という内容がありません。長文の「標準レベル」が『センター試験より少し上』なので、当然と言えば当然ですが。
「応用レベル」では『地方国公立大学』も対象としているため、全12題のうち7題がその地方国公立大学の問題からのセレクトです。当然、記述がメインの設問構成になっており、GMARCH志望の受験生や、私大対策でマーク式の演習をしたいと考えている場合には、かなり難しいかもしれません。
以上のことからも文法と同じ感覚で取り組んでしまうと全く歯が立たなかったということになる可能性があります。取り組む時期や、志望校対策の進み具合などに注意しながらやるべきでしょう。
個人的にはPOLARISシリーズは非常に良い問題集だと感じています。私自身の指導方針でも、長文読解は色々なジャンルの文章、そして、記述式や客観式にこだわることなく色々なタイプの設問に触れておくべきと考えているのですが、「記述式の設問はやりたくない」「記述式の設問はやる必要がない」と考えている場合、長文読解の問題集を探すのはなかなか骨が折れるのではないかと…
それではまた。