3月に入り、一気に春らしくなりました。今日も大変暖かく、上着がいらない天候です。
さて、文教大学の英語シリーズを終了したところで、科目を変えて東洋大学の国語について見ていこうと思います。
問題の特徴は何と言っても解答数(設問数)が非常に多いことです。現代文、古文それぞれ20以上の設問があります。
ただし、試験時間に対してはゆとりがあると思われるので、それほど心配することはないのではないでしょうか。
少し注意しなければならないのは、他大学と併願する際の時間配分です。私立文系の国語の場合、60分で3題(現代文2題、古文1題など)という構成がありえますので。
今回はまず全体像をつかむことから始めましょう。
この投稿で取り上げるのは「前期3科型2月8日入試」と「前期3科型2月10日入試」です。
いくつかの学部での共通問題となっていますので、詳細は大学のウェブサイト等で最新のものを確認していただくのが安全です。
構成は各日とも共通で、現代文1題、古文1題で漢文の出題はありません。試験時間は60分です。
ということから、1題に対して30分かけることができます。これはかなり大きいのではないかと思われます。
古文が苦手な、というより嫌いな受験生は多いと思われますが、自身の得点できる部分を考慮したうえで、例えば「古文20分、現代文40分」で現代文で多く得点する、という作戦もOKかと思います。
確かに時間をかけてじっくり取り組むと得点できる内容と考えられるので、自分に合った時間配分の設定が必須事項ではないでしょうか。
それでは全体的な特徴を見ていきましょう。
[問題1]現代文:解答数21前後
問題文のジャンルはいわゆる評論文・論説文系のもので、設問の構成は毎回よく似ています。
このような様子だと、過去問演習をしっかりしておくと対策につながります。ちなみに、今年度も今までと同じような構成でした。
それでは設問の中身をチェックしていきましょう。
・接続詞、副詞などの空所補充問題(4問程度)
・漢字(7問程度)
・本文中への語句補充(3問程度)
・内容理解(4問前後)
・内容真偽(1問で解答数が2)
大きく分類すると以上のようになります。単なる内容理解ではなく、欠落した一文を正しい箇所に入れさせるという問題が出たこともあります。
全体的に難問・奇問のたぐいはあまり見当たらず、現代文の演習をルール通りにこなしていれば確実に得点できるものばかりです。
実際に担当した生徒さんたちも70-80%は取れていたのではないかと思われます。
配点が分からないので正確な数字とは言えませんが、20個ほどの解答数に対して15個以上は取れていることがほとんどでした。
合格するためには現代文での失点は避けなければならないのではないでしょうか。
逆に考えれば、この問題で50%を割ってしまう受験生は、現代文の学習が足りていないか、方向性が間違っていると判断できそうです。
[問題2]古文:解答数22程度
問題文の出典は、教科書に載っている有名なものが多くを占めています。作品名を見て「知らない」という受験生は明らかに勉強不足と言えます。
ここで触れる年度には文学史の出題はないのですが、出典と絡んだところから出題されても慌てないように、過去問と関係する文学史は押さえておきたいところです。
設問の内容は以下のような感じです。
・古典文法(8-10問程度)
・古文単語、文章一部解釈(問題数に差あり)
・主体の把握(数問程度、出題がない場合もあり)
・内容理解(多い場合は7問程度、問題数に差あり)
・内容真偽(1問で解答数が2または1)
実は、内容理解に含まれると考えられる設問も、古文単語の知識で選択肢が絞り込める、あるいは解答が決まるというものも少なくありません。
マーク式ないし選択式の設問にはよくある話なので、受験生の皆さんは古文単語を疎かにせず、選択肢のチェックでは古文単語と選択肢の該当箇所を正確にチェックするよう心がけましょう。
主体の把握については、敬語で問われるパターンもあるので敬語もきちんと理解しておく必要があります。
過去2年間4回分の過去問で、内容真偽が出題されていないことが1度ありましたが、これは出るものと考えたほうが安全でしょうね。
問題文によって難度がどうしても動いてしまうので、詳細は次回以降で見ていこうと思います。
次回から各年度を現代文と古文に分けて、設問ごとにチェックしていきます。