さて、今回は完了時制のポイントに入りたいと思います。
前回の時制のところで触れた「直線」の時間を表すのが、完了時制です。では、ポイントをまとめましょう。
①現在完了:過去から現在までのつながりのある時間を示す
②過去完了:過去のある時点から過去のある時点までのつながりのある時間を示す
③未来完了:過去のある時点から未来のある時点までのつながりのある時間を示す
例えば、去年から今までなら現在完了、5年前から3年前までなら過去完了、3年前から来年までなら未来完了、ということになります。
教材の図をよく見て違いをしっかり理解しておきましょう。
これはそれぞれの用法の中の『継続』で考えるとすっきり理解できるのではないでしょうか。
現在完了を初めて学習した中学生などがもっとも混乱するのは『完了・結果』の用法ですね。
中身をきちんと理解していないと、過去形と同じようにしか聞こえませんし、日本語で書くと過去形と完全に同じになってしまいます。
英文で比較してみましょう。
I lost my watch yesterday.(私は昨日時計をなくした)
I have lost may watch.(私は時計をなくしてしまった)
今はあえて下の文を「なくしてしまった」と訳しましたが、正直どちらも変わりませんよね。
日本語訳はどうしても過去形っぽくなってしまうので仕方がないのですが、内容はかなり違うということをここでぜひ押さえておいてください。
ここで一番初めに触れたように、現在完了は「過去から現在までのつながりのある時間」を表します。
それに対して前回見たように、「yesterday」は「点」を表しましたね。その違いは何でしょうか?
先を読む前に、じっくり考えてみてください。落ち着いて考えればわかるのではないでしょうか。
気づいた人も多いと思いますが、例文のふたつ目は「現在も時計がない」ことも含んでいます。
これに対してひとつ目は「現在の状況はわからない」ということになります。ここがわかれば次の文の違いは分かるのではないでしょうか。
He went to America two years ago.
He has gone to America.
しっかり考えて答えを出してみてください。
そして、ばっちり説明できるという人たちは遠慮なく説明してみてください。対話をしながらの学習が知識を定着させるのに効果的です。