今日は昨日の続きで、W合格のデータを読むときの“前提”について考えていきます。
まず大切なことは、早稲田と慶応とでは受験科目が異なる、という事実です。
正確に言うと、慶応文系学部の受験科目は一般的な私立文系のそれではありません。
逆に早稲田は私立文系としては本当にオーソドックスな受験科目です。
この違いが昨日のW合格後の結果につながるのです。
では、まずオーソドックスな早稲田から受験科目を見ていきます。
全て書くと長くなりますので、いくつか抜粋します。
政治経済学部:英+国+数or社
法学部:英+国+社
商学部:英+国+数or社
社会科学部:英+国+数or社
文学部:英+国+社
国際教養学部:英+国+数or社
とまあ基本的に英国社で、学部によっては数学も可です。
ちなみに社会では政治経済を使える学部もあります。
次に慶応の受験科目を見てみましょう。
法学部:英+社+小論文
経済学部:英+数+小論文 or 英+社+小論文
商学部:英+数+社 or 英+社+小論文
文学部:英+社+小論文
総合政策学部:英+小論文 or 数+小論文 or 英+数+小論文
ご覧のように、ほぼ全ての学部で小論文が課されています。
また、社会では基本的に日本史か世界史です。(商学部のみ地理も可)
見比べていただければ分かりますように、慶応では小論文が外せない科目になっています。
一般入試でこれほど小論文を重視する大学は、私の知る限り私立ではありません。
そしてこれが大切な“前提”につながってきます。
結論から先に言いますと、早稲田と慶応をW受験する受験生は必ずしも多くないということです。
世の中では「早慶を片っ端から受ける!!」という話も聞きますが、それはおそらく少数派でしょう。
一般的に私立文系の受験生は「英+国+社」を受験科目として勉強を進めます。
ほとんどの私立文系の大学学部はこの3科目で受験できますので、困ることはないのです。
ただこの場合、慶応は受験できません。小論文が足りないからです。
そうなると次のような流れになります。
Case1:志望順位が早稲田>慶応の受験生
①『わざわざ小論文をやってまで、慶応は受けないかな。早稲田一本で行こう。』
↓
②「英国社の3科受験」
↓
③「早慶W受験はしない」
Case2:志望順位が早稲田<慶応の受験生
①『小論文の対策をして慶応を目指そう。もちろん早稲田も受けよう。』
↓
②「英国社+小論文の4科受験」
↓
③「早慶W受験をする」
こうなることが想定されます。(最上位国立大学志望の人はどちらでも併願してきますが…)
そうなると、先のW受験のデータの母集団自体が割と慶応よりだったことが予想され、慶応が優勢だという結果が出ることはある意味必然なのです。
自分自身が受験生だった頃にも実感しましたが、層が違うということなんでしょうね。
世間が思っているよりももっと棲み分けが出来ている気はします。表現が難しいですけどね。
ですから、昨日も別の形で述べましたが、このデータを見て早稲田が慶応に負けているなどと考えるべきではありません。
単なる統計の取り方の問題なのですから、自分の行きたい方を目指せばいいのです(^^)
今日はこれで終わりです。
大学選びは大切なイベントです。一生その名前がついて回るわけですから。
ですので、後悔の無いように、慎重に考えて下さいね。
それでは。