この一週間ほど、エジプトが揺れています。
大統領支持派と反大統領派の対立が続き、数十万人規模のデモが発生しています。
もはやモルシ大頭領の辞任は避けられそうにありませんが、現段階ではモルシ大統領は辞任を否定しています。
ですが、昨年政治の実権を放棄したエジプト軍が政治に再介入する意志を表明したことで、混乱はさらに深まりそうです。
なぜエジプトがこれほど注目を集めるのかと言いますと、実は一昨年も同じようなことがあったからです。
エジプトでは2011年まで30年にも渡ってムバラク大統領が長期政権を維持していました。
ムバラク大統領は軍出身で、軍の力を背景に強権的な政治を行い、その中で国民の不満は高まっていったのです。
そして2011年、チュニジアのジャスミン革命に影響され、エジプトでも民主化を求める革命が起きたのです。
当初ムバラク氏は権力の座から降りることを拒否しましたが、民主化の波は余りにも強く、辞任を強いられました。
その後は、しばらく移行期間があったのですが、2012年6月に民主的な選挙が行われてモルシ氏が大統領に就任しました。
実は今回の一連のデモはモルシ大統領就任1周年をめどに行われたものです。
諸外国の目があり、デモを弾圧することは出来ない上に、軍が介入してきたことでモルシ大統領はチェックメイトという感じになってしまいました。
こうやって見てみますと、やはり民主主義というのは難しいものだと痛感します。
歴史を見れば明らかですが、まず第一に、制度が確立されて長期間運用されることが困難です。
運良く制度を確立できたとしても、それが効率的な政治をもたらすかは神のみぞ知る、です。
それは日本でもそうですし、他の国でも同じです。
結果的にもうひとつの選択肢がよかった、なんてことはざらですよね。
今回の騒動でエジプトの政治体制はまた変化するのでしょう。
ですがそれが後退にならないように祈っています。かすかでも確実な前進を望みます。
今日はこれで終わりです。
この件については、分かりやすい結末になった場合にはまた記事にしたいと思います。
複雑な事象を簡潔に書くのは本当に難しいです…
余計なことを書くと、みなさんをさらなる迷宮に誘い込んでしまうかもしれませんので(笑)
それではまた。