これからしばらく定期的に掲載していく予定の、テキスト紹介コーナー。
共通テストまではあと2ヶ月半程度、私大入試まではあと3ヶ月程度という時期で、受験生の皆さんは学習をいかに効率よく進めるか、非常に悩んでいることと思います。
その一助になればと、できるだけ新しく、かつこの時期に取り組めるテキストを紹介するという方向です。そこで、しばらくは「関正生のPOLARIS」シリーズを取り上げていくことにしました。さて、今回のテキストは、学研の「関正生の英文法POLARIS1 標準レベル」です。
このテキストは、2017年7月の発売で、私も本屋でテキストを物色している際に目に留まり、発売翌年に購入することになりました。当時は、英文法と英語長文のシリーズ構成でしたが、昨年、英文法ファイナル演習がシリーズに追加されました。今後、どのシリーズも取り上げる予定です。
ご購入はこちらからどうぞ→関正生の英文法POLARIS1 標準レベル
1.特徴
単元別の構成、と前書きには書かれていますが、『Chapter』のまとめ方が工夫されており、学校で配布される量とページ数がやや多い体系的なテキストで、文法を初めから学習していくスタイルとは雰囲気が異なっています。
具体的には、①動詞関連、②準動詞、③構造系、④品詞系、⑤文型という章立てになっており、その中で仮定法や不定詞といった単元ごとに分けられています。
各単元は、『攻略のコツ』という解説ページに続き『STEP1』『STEP2』という2本立ての作りになっており、問題の構成も、適語選択だけではなく、整序問題や正誤問題、穴埋めなど上手く配置されています。問題部分は、見開きで左側が問題、右側が解説という構成です。
2.長所
このテキストが作られた意図の通り、『志望校のレベルに合った問題』『実際に出る問題』を演習するにはピッタリのものでしょう。しかも、『最新2年分の問題を分析』ということで、出版年から見てもまさに現在の入試にマッチしたものと言えるでしょう。
また、特徴のところで触れたように、単元別での演習も可能な構成なので、苦手な単元や、志望校対策に向けてしっかり取り組んでおきたい単元がある場合にも、うまくピックアップして使うことができます。
さらに、このシリーズの応用レベル、発展レベルとも組み合わせることで、段階を踏んで実力をアップさせていくこともできます。この場合も、単元を絞って取り組むことができるので、弱点の補強など目的に応じた使い方ができそうです。
3.使用上の注意点
標準レベルの対象とするレベルが『センター試験、日東駒専』『センター試験(筆記)160点、英検準2級~2級』とされていることから、高校基礎内容の英文法が仕上がっていない場合は、このテキストは向きません。「解説が難しい」という声をチラホラ聞くのですが、それは逆に言えばこのレベルに取り組むために必要な学力、基礎知識が足りていないということです。
あえてテキストの名称を『標準レベル』としており基礎レベルとしていないところを考えて、しっかりと下地を固めてから取り組むようにするべきでしょう。これはPOLARISの他のシリーズにも共通して言えることでしょうね。
このシリーズの『標準レベル』に限ったことではないですが、志望校のレベルの問題に取り組めるようになるには、どの科目でもそれなりの準備が必要になるのは当たり前のことです。とにかく先へ先へと進みたがる人もかなりいると考えられますが、きちんと足元を見つめてその時点でやるべきことを見極めることが大切です。
ところで、「もう単元別は病気になるから十分だ」という場合にもこのテキストは向きません。念のためご注意ください。
初めに少し触れましたが、このテキストを購入した当初は「ランダムのものが欲しいなぁ」と思ったものですが、そこはさすがですね。昨年、ランダム形式のものが出版され、一層充実したシリーズとなっています。
私も、このテキストに限らず単元別とランダム形式は、時期により、生徒さんの進捗状況により使い分けています。
それではまた。