この教材は、入試現代文で使われる語彙について、重要なものをまとめたものです。
例えば「概念」や「アイデンティティ」など、日頃はあまり使わない語が収録されています。
これらの語につまづいていると文の意味を適切に捉えられず、それはつまり文章をつかめなくなることを意味します。
スムーズに文章を読んで要旨をつかむためには、ある程度のボキャブラリーが必要です。
この教材はそれを目指すためのものです。
現代文が苦手な人、マーク式なら問題は解けるけど意味は分からないという人、ぜひこの教材を手に取ってみてください。
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1.特徴
本書の構成は大きく分けて三部構成です。
まず最初に基本の「読解語(20語)」があります。
ここでは、「普遍」⇔「特殊」などの対義語や「体系」「合理」などの基礎レベルの語が収録されています。
次に、「テーマ別(5テーマ)」がきます。
ここでは、「近代」ですとか「科学」ですとか、評論でよく扱われるテーマについての説明がされています。
最後に、「重要語(68語)」です。
ここに分類されている語は「メタファー」「水平化」など、やや難しいものが中心ですが、知らないと文の意味が分からなくなってしまう重要語ばかりです。
各部で内容が変わってくるので、紙面構成については一言では難しいです。
「読解語」部門では、実際の入試問題でどのように扱われているかが例として挙げられています。
「テーマ別」部門では、何か読み物のような形式で説明が行われます。少し長めです。
「重要語」部門では、他部門に比べるとすっきりした分量です。1語で1ページになっています。
2.長所
テーマは省くとして、見出し語のトータルで100語以下に収まっています。
これが300語とかですと、手をつける勇気が出ないでしょうから、気軽に取り組めるはずです。
また、短めの例文と長めの例文の両方が使われているところもよいです。
これによって、語の意味を理解するときには短い例文を使い、語の使われ方を知るときには長い例文を使うという使い分けが出来ます。
3.短所
この教材は2001年発行ですので、内容が少し古いです。
もちろん、十分に有効な教材ではありますが、ここ10年ほどのデータは反映されていませんので、それを考慮する必要はあります。
また、"語"に対して、"意味"は長めの文章で説明されます。
英単語帳のような、一対一の対応ではないので、しっかりと腰を据えて読まないといつまでたっても定着しないでしょう。
そういう意味では、国語に時間を割ける人向けなのかと思います。
今日は以上です。いかがでしたでしょうか?
一言で「現代文が出来ない」とは言っても、その原因は様々なはずです。
もしかしたら、文脈を追う力が足りないのではなく、語彙不足が原因かもしれません。
少し冷静に自分を分析して、語の意味が"本当に"分かっているのかを確認しましょう。
そしてもし「本当は分かっていない。」と思うのであれば、本書のような教材をあたってみましょう。
2周、3周と読んでいくうちに、成績が向上してくるかもしれませんよ?
「そんなのは自分では分からないよ。」という人は、ぜひご相談ください。
客観的に見ていると、くっきりと見えてくるものです。
と同時に解決策も提示しますので、これでもうばっちりです(笑)。
近いうちに別の教材も紹介したいと思いますので、ご期待ください。
それではまた。