平成27年度、つまり平成25年春に高校2年生になる学年が受験する年から、センター試験も理数科目が新課程に移行します。
ただ単に科目名が変更になっただけではなく、内容も大きく変化していますので、入試制度にも大きな変化があります。
今日は「理科」にしぼって、どのような変化があるのかをまとめていきます。
国公立大学を受験する人、特に国公立文系の受験生には大変革になる可能性があるので、今から注意しておきましょう。
3年生になってから考え始めたのでは遅いです。
少しでもゆとりをもって受験に臨むためにも、今からおおまかな計画を立てておきましょう。
間違いの無いように細心の注意を払ってまとめていますが、志望校を選ぶ際は必ず各大学のウェブサイトなどで確認してください。
何か不正確な記述がありましたら、お手数ですがコメントやメールでお知らせください。
1.科目の分け方
新制度について書く前に、現行の理科の科目を確認しておきましょう。
理科総合A
理科総合B
物理Ⅰ
化学Ⅰ
生物Ⅰ
地学Ⅰ
受験生は、この6科目から選択して受験します。
多くの国公立大学では理系は2科目、文系は1科目を課しています。
平成27年度入試から、理科は次のように分けられます。
①基礎科目
物理基礎
化学基礎
生物基礎
地学基礎
②発展科目
物理
化学
生物
地学
ご覧のように「基礎科目」と「発展科目」の二つに大別されます。
注意点は、「基礎科目」と「発展科目」の扱いは同じではないということです。
まだ正式発表はありませんが、『発展科目は基礎科目2つ分の試験時間・配点とする予定』と大学入試センターは発表しています。
これはどういうことか分かりづらいですので、具体例を挙げておきます。※あくまでも現段階での予想ですので、正確には正式発表をお待ちください。
(基礎科目)化学基礎…30分/50点
(発展科目)化学…60分/100点
つまり、「基礎科目」が2つで「発展科目」1つ分の扱いになります。
これによって受験形式が複雑になります。次に受験形式についてまとめます。
2.受験形式
受験生は、基礎科目4つと発展科目4つから大学の指定する科目を選択して受験することになります。
受験形式は以下の“4パターン”が存在します。
パターンA
「基礎科目」から2つ
パターンB
「発展科目」から1つ
パターンC
「基礎科目」から2つ+「発展科目」から1つ
パターンD
「発展科目」から2つ
おそらく、文系学部ではパターンAを課す大学が多く、理系学部ではパターンDを課す学部が多いのでしょう。
理系学部では現行でも「理科2つ」が主流ですので、大きな変革にはなりません。
しかし、現行ですと文系学部では「理科1つ」がほとんどですので、負担が大きくなることが予想されます。
ですので、2年生のときからそれを意識して準備をすべきだと思うのです。
3年生になってから理科を2つ学習するのは時間的にも精神的にも大変ですから。
3.大学の方針
ここ横浜から通学可能な大学がどのパターンを選択するのかをいくつかまとめておきます。
ここにない大学につきましてはお問合せください。
東京大学(文):パターンA
東京大学(理):パターンD
東京工業大学:パターンD
一橋大学:パターンAまたはパターンB
東京外国語大学:パターンAまたはパターンB
横浜国立大学(経済):パターンA
横浜国立大学(経営):パターンAまたはパターンB
横浜国立大学(理工):パターンD
やはり理系は変化なしですが、文系は負担増ですね。
一橋大や東京外語大ではパターンBでもいけますが、その場合選択肢は狭くなります。
1科目を狭く深く学ぶのか、2科目を広く浅く学ぶのかの違いですが、今から考えるのであれば2科目を選択した方が先々楽かもしれませんね。
どちらにしても社会は2つあるわけですから、理科は今から何を選択するのか決めて、学校の授業に集中しましょう。
2年生のうちにある程度内容を理解できれば、3年生になって見通しが良くなります。
今日は以上です。
国公立大学を受験するにはセンター試験は必須ですから、その準備は周到にしておきたいものです。
特に難関校を受験する人にとっては、センターは1つの通過点です。
安心して2次試験対策を行うためにも、2カ年計画でセンター試験に臨みましょう。
それでは。